【曲をより味わえる】米津玄師の歌詞に出てくる作品やモチーフをまとめてみた

音楽

今や老若男女問わず幅広い世代の人々から支持を受け、邦楽を語る上で絶対に外すことができない存在である米津玄師さん。

彼の魅力の一つに独自の世界観というものがあります。

誰にも真似できないようなオリジナリティ溢れる世界観は多くの人々を惹きつけてやみません。

一体それほど魅力的な彼の世界観はどうやって構築されたのか。

その答えは彼が好きな作品や楽曲のモチーフにしたと語る作品たちから垣間見えることがあります。

そこで今回は、歌詞に出てくる作品たちをまとめていこうと思います!

楽曲やインタビュー、何気ない言動の中に散りばめられた要素から探ってみました。

それでは早速いきましょう!

歌詞に出てくる作品やモチーフまとめ

文学

宮沢賢治

米津さん自身とても好きで、大きな影響を受けていると語る宮沢賢治。

たしかに2人にはどこか共通するものが感じられることが多いです。

風景が目に浮かぶような美しい文章や他とは一線を画する独自の世界観などは宮沢賢治の影響を受けているのかもしれません。

そんな彼にとって欠かすことのできない存在である作品を見ていきましょう。

春と修羅

米津さんが暗唱できるほど、とりわけ好きだという「春と修羅」がモチーフになっている楽曲はやはり多いです。

「ナンバーナイン」や「旅人電燈」の歌詞は、この詩を踏まえたものになっています。

また「ゴーゴー幽霊船」の世界観を垣間見ることもできます。

難解な一曲ですが、この詩の内容を押さえておくとまた違った見方ができるようになったりもします。

最近だと「君たちはどう生きるか」の主題歌「地球儀」の歌詞にも、ここから引用されています。

恋と秒熱

「宮沢賢治詩集」にある同名の詩がモチーフになっている初期の楽曲。

この詩の世界観がうまく曲に落とし込まれていることに気付けます。

銀河鉄道の夜

宮沢賢治の代表作「銀河鉄道の夜」

これがモチーフになっているのが「カムパネルラ」わかりやすく曲名が登場人物の名前になっています。

米津玄師により再解釈された物語が印象的な一曲です。

モチーフとなっているこの「銀河鉄道の夜」を読むと、より一層この曲を味わうことができます。

またMVの世界観は中原中也の「月夜の浜辺」が踏まえられています。

よだかの星

「BOOTLEG」に収録されている「Nighthawks」のモチーフになっている作品。

醜いその見た目から周囲から疎まれる「よだか」についてのお話です。

その世界観が曲にも落とし込まれており、歪さを持ちながらあまり多くを望まない人物が光を求めて生きていこうとする様子が描かれています。

高村光太郎詩集

茨木のりこ詩集

米津さん一番の代表作「Lemon」を作る上で参考にしたという詩。

曲の中ではこれらの作品の雰囲気や世界観が垣間見えます。

これらの内容を抑えることで「Lemon」という曲をより深く味わえるようになれます。

他には谷川俊太郎の詩が「M八七」で引用されたりもしています。

三四郎

夏目漱石の代表作の一つ「三四郎」

5thアルバム「STRAY SHEEP」のタイトルの元となっています。

この言葉は「迷える羊」という意味で、作中のキーワード。

山椒魚

井伏鱒二のこの作品がモチーフになっているのが「海と山椒魚」という曲。

作品の独自の解釈をした上で上手く曲に落とし込まれているのがまあ見事です。

「山椒魚」を知っているとより深く味わうことができます。

和歌、俳句

日本伝統の和歌や俳句の一節が、歌詞の中で登場することが多いのも特徴的。

例えば万葉集に十辺舎一九、種田山頭火、石川啄木などなど。

最近だとこれらは、楽曲の根底にある背景を補完するような意味合いで用いられることが多いです。

これにより作品の世界観に奥行きが生み出されています。

妖怪説話

百鬼夜行 - Wikipedia
出典:Wikipedia

見た目などから自身のことを「怪物」のように感じていたこともあると語る米津さん。

「百鬼夜行」や「ETA」には、そんな妖怪伝承のニュアンスを見出すことができます。

日本古来のもので米津さんらしさを感じることができますよね。

落語

「死神」という古典落語が同名曲のモチーフに。

日本の伝統芸能である落語や時には民謡なども歌詞に出てくるのは面白いです。

彼の世界観の広さに驚かされます。

キリスト教

米津さんの内面を形作るものの中でもとりわけ大きなものだと思わされるのが、キリスト教の世界観です。

楽曲の随所には聖書の内容も含めた、神や神話のエッセンスを見つけることができます。

「サンタマリア」「black sheep」「amen」「neonsign」「懺悔の街」などでは、もろにキリスト教を感じさせられます。

また「ウィルオウィスプ」「笛吹けども踊らず」「LOSER」「KICK BACK」などにもその世界観は垣間見えます。

「塩の柱」「バベルの塔」「レストインピース」といった言葉がはわかりやすいキリスト教の言葉になります。

仏教

仏教の世界観も楽曲の中に時折顔を見せます。

「リンネ」「KARMA CITY」「MAD HEAD LOVE」「LOSER」といった楽曲からは、

「輪廻転生」「修羅」「業」といった仏教の概念が落とし込まれていることに気付かされます。

比較的日本人に馴染み深い仏教も、やはり米津さんの世界観に影響を与えているようです。

マザー・グース

「マザー・グース」とは、イギリスで古くから口誦によって伝承されてきた童謡や歌謡の総称のこと。

シンプルに「ゴーゴー幽霊船」の歌詞に出てきたり、「Baa Baa Black Sheep」という作品があったりします。

また「ハンプティ・ダンプティ」にとても似たキャラクターが「vivi」のMVに登場したりもします。

グリム童話

「ブレーメンの音楽隊」がわかるやすく3rdアルバム「Bremen」

「シンデレラ」は「シンデレラグレイ」や「POP SONG」の中でそのニュアンスが登場します。

イソップ寓話

イソップのニュアンスが取り入れられているのも面白いですよね。

「LOSER」の「酸っぱい葡萄」や「ララバイさよなら」の「王様の耳はロバの耳」

などの要素が楽曲に用いられています。

不思議の国のアリス

ディズニーや映画でもおなじみのこの作品

「アリス」という楽曲では作品の世界観が彼なりにアレンジされて表現されています。

どこかに迷い込んでしまったような歌詞とメロディが印象的です。

ちなみにこの作品の続編である「鏡の国のアリス」にも先述の「ハンプティ・ダンプティ」が登場します。

砂の惑星

SF小説の傑作「砂の惑星」

同名曲のモチーフとなっている作品です。

見渡す限り一面に広がる廓寥たる砂漠が印象的なのですが、これを抑えるとより曲のイメージがしやすいかもしれません。

わたしを離さないで

好きな作家というカズオ・イシグロの「わたしを離さないで」

6thアルバム「LOST CORNER」もこの小説からつけたそう。

ちなみに「ロストコーナー」は「忘れられた場所」や「遺失物取扱所」という意味。

映画、漫画

風の谷のナウシカ

Nausicaä of the Valley of the Wind - Official Trailer
A thousand years after a great war, a seaside kingdom known as the Valley of the Wind is one of the only areas that rema...

ジブリ映画がとても好きで自らの原点とも語る米津さん。

そんな中でも原作も読み、とりわけ好きだというのがこの「風の谷のナウシカ」

「飛燕」という楽曲ではその世界観が踏襲されています。

他のジブリ作品だと「千と千尋の神隠し」「もののけ姫」も好きだそう。

セブン

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機動警察パトレイバー

CURE

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「POP SONG」を作る上でのヒントになったと語る3作品。

どれも基本はクライムサスペンスものの作品であり、犯人が特異な思想の下に自らの価値観を犯罪により体現するかのような内容になっています。

「POP SONG」ではそんな内面の発露を感じることができます。

雨に唄えば

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「POP SONG」の歌詞に登場。

「”雨に唄えば” なんて晴れやかだ」の歌詞の通り、観るとハッピーな気分になれること間違いなしのミュージカル映画の傑作です。

キッズ・リターン

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「灰色と青」のモチーフになっている北野武さんが監督を務める作品。

年月を隔てた男同士の友情というまさにと言った内容になっています。

他の北野映画では「その男、凶暴につき」や「ソナチネ」などのバイオレンス系の作品も影響を受けているとか。

東京物語

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県警対組織暴力

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「KICK BACK」を作る上で、限界状態の人の心理やカオスな状況の描写をする上で参考にしたという作品たち。

パーフェクトブルー

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今敏監督の代表作「パーフェクトブルー」

アイドルという輝かしい世界の「現実と虚構」を描いた作品です。

「LENS FLARE」では、これを踏まえて自身の体験が重ねられています。

HUNTER×HUNTER

冨樫作品の大ファンだと語る米津さん。

「moonlight」では歌詞にも登場します。

海獣の子供

子供の頃から読んでいたという作品。

映画化するに当たって、自ら主題歌を担当したいと表明したのだとか。

そしてできたのが「海の幽霊」

他だと「3月のライオン」「僕のヒーローアカデミア」「チェンソーマン」など。

よつばと!

小さい女の子にひたすらに癒されるような作品「よつばと!」

「POP SONG」のMVでの髪型の参考にしたのだとか笑

まとめ

今回は「米津玄師の歌詞に出てくる作品やモチーフ」をまとめてきました!

正直今回紹介したものは、彼の圧倒的な世界観を作っている作品としてはごくごく一部に過ぎないでしょう。

それでも小説や詩集、漫画、映画など非常に多岐に渡るジャンルで驚かされますよね。

さらには「ファイナルファンタジー」や「UNDERTALE」などのゲーム、ガンダムやセイラームーンなどのアニメからも影響を受けているのも見逃せません。

もちろん本業の音楽というジャンルでの情報収集の上にこれらのインプットがあるのは間違いありません。

こうした枠に囚われないインプットがあるからこそ、老若男女どの属性の人に対しても響く魅力的な楽曲を生み出すことを可能にしているのでしょう。

今回紹介した中で気になったものは、ぜひ一度チェックしてみていただければと思います!

彼の楽曲をより一層深く味わえること間違いなしです…

この記事が、皆さんがより一層米津玄師さんの作品を理解し、より一層深く味わう上での参考となれば幸いです!

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自然が多い田舎で日々文章を書いて暮らすデカい男。

哲学から漫画アニメまで、人生に気づきや彩りをくれる知識と作品をまとめています!

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