【実は日常にとても役立つ】初期仏教、ブッダの教えの要点を簡単にまとめてみた

哲学・思想

日本人にとって馴染みがあるようで、実は意外と距離があるのが仏教

その内容をよく知っているかと言われると、あまり自信がないという方も多いのではないでしょうか。

仏教の教えには「輪廻から解脱するために悟りを開く」という世界観が中核にあります。

すなわち苦しみの連続である世の中でどう生きるか、そしてどのようにして幸せになるか、といったとても人間の内面に着目した教えなんですね。

それゆえ今を生きる私たちにとっても実に有益で、知っておくことで特にメンタルの面で多くの恩恵を受けることができる内容とも言えます。

そこで今回は、仏教の教えの中から日常にも役立つような考えをなるべくわかりやすく紹介していきたいと思います!

  • 人生の捉え方を変える考えに出会いたい
  • 最近言いようのない不安に襲われている
  • 毎日をいい気分で過ごしたい

こんな方にぜひチェックしていただきたい内容です。

それでは早速いきましょう!

初期仏教、ブッダの教えの要点を簡単に

一切皆苦

「人生は思い通りにはいかない」

というのが、仏教の中核にある考えの一つになります。

老いや病気、愛する人との別れや理想と現実とのギャップなど(四苦八苦)、私たちが生きていく上で避けられないものというのは必ず存在します。

これらは私たちのどうにかできる範囲を超えてやってくるものであるため、その際はどうしようもないというのが現実。

私たちはこうしたものを見ないようにして、必要以上に自分の人生に対して期待し過ぎているところがどこかあるのかもしれません。

もちろんこうした将来に期待する姿勢はある程度はもちろん必要です。

夢を持って努力したり、自分の未来は必ず良くなると信じることはより良い人生を送る上で大きな力になってくれるでしょう。

しかしこれらが行き過ぎてしまうと「今」に満たされるということが難しくなり、毎日が辛く苦しいものになってしまいます。

そこで良い意味で「諦め」の感情を持つことが、こうした葛藤を防いでくれることに役立ってくれるんですね。

「一切皆苦」の精神がどこか心の片隅にあると、仮に悪いことがあっても「まあそんなもんだよなあ」と思えるようになり、心が折れることなくメンタルを保つことができます。

一見すごく後ろ向きでネガティブな考えに思えますが、実は苦しい時に私たちの気持ちを楽にしてくれるような考えであり、とても仏教らしさを感じることができる教えです。

諸行無常

「何事も始まりがあれば終わりがあるもので、一切永遠に残り続けるものなど存在しない」

というのがこの「諸行無常」の考えです。

仏教の中でもとりわけ大事で柱となるような教えの一つです。聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。

喜びや幸せに繁栄、逆に苦しみや悲しみに絶望といったものもいつかは消えていく運命にあります。

全てはゆく川の流れのように常に移り変わっていくもの。あまり執着し過ぎないようにするのが肝心です。

この考えが頭にあると、その時は喜んだり悲しんだりしながらも、どこかそんな自分を客観的に一歩引いた視点から見ることができるようになります。

そして「諸行無常」の世の中で生きる私たちだからこそ、常に死を忘れないという姿勢が大事にもなりますよね。

いつ死が自分に訪れるのかは誰にもわかりません。今日明日にも何かが起こり死んでしまうことだってあるのです。

だからこそ目の前の一瞬一瞬、今触れているものを大切に扱うということも忘れてはいけません。

毎日を後悔のないように生きる。

当たり前のようですが、実はとても難しいことの大切さを改めて感じさせてくれるような教えです。

煩悩

「必要以上に死を恐れてしまうことこそ煩悩の原因であり、これがあるから人生が苦しくなるのだ」とブッダは言います。

こうしたマイナスの要素の原因となるものを「煩悩」と呼びました。

無益な妄想、性欲、怠惰欲などがこの代表的な例ですよね。

仏教では煩悩があるから怒り、嫉妬、不安などの負の感情が生まれるとされています。

これを避けるためにも、誰にも逃れられない死というものしっかりと受け入れることが大事になります。

その上で今やるべきことに集中することで、煩悩に悩まされることを無くすことができます。

生きていく以上、ある程度は煩悩が生まれてくるのは自然なことでもあります。その上でこの煩悩とどう付き合っていくのか。

煩悩に振り回されるのではなく適切な距離を保ちながら、時にはこいつを良い方向へ行くための動機として利用してやるくらいの気持ちでいるのが望ましいのでしょう。

因果

「全ての物事には原因と結果がある」

とするのも、仏教の柱の一つとなっている考えです。

何事もそれ一つで存在しているということはなく、背景にはあらゆる要素が互いに作用しながら成立していると言うことができますよね。

例えば今日食べた物には生産者はもちろん、それを運んだ人や店頭で売る人、食べ物を育んだ大地や太陽の光など、数え切れない要素が関係していると言うことができます。

これを踏まえると、目の前の事象だけを見るのではなくそこに含まれる全てを広い視点で見ることが大事であることに気付かされます。

もし大きな問題に直面したとしても、ただ打ちひしがれたり悩むのではなく、なぜそれが起こっているかを考えることこそが重要になります。

すると自然とその裏にある要素、原因を考えることができるようになり、解決のための糸口が見えてきます。

目の前の不安や問題の大きさだけに囚われてしまい、目の前が真っ暗になって何もできないということが私たちにはよくあります。

「因果」という考えは、そうなることを防いで実際にポジティブな方向へと導いてくれるような、すごく実践的で日常生活でも役立つ教えです。

反応しない

「因果」にも関係してきますが、

「怒りや嫉妬などの負の感情に襲われる時、目の前で起こったことのせいにしてしまいがちだが、本当は自分がそれを踏まえて反応してしまっているに過ぎない

とブッダは言います。

たしかに近くで赤ちゃんが泣いている時にイライラして怒りの感情を表す人がいる一方で、かわいいなとほっこりする人がいるというのも事実です。

これはその時の自分の体調や心情にも影響を受けますよね。

同じ状況にいたとしてもその場でどういった感情を抱くは各人次第です。ここからもやはり私たちは目の前のことに反応しているに過ぎないということがわかります。

これを踏まえると自分を一度客観的に見ることで、負の感情に振り回されてしまうということを避けることができます。

具体的には7秒ルールや自分の感情を分類して紙に書く、マインドフルネスで自らの感覚に集中することで自分を一歩引いて見ることができるようになります。

これらの具体的な方法については「反応しない練習」という本に詳しく書かれていますので、気になる方はぜひこちらを読んでいただければと思います。

今なら kindleやaudible で無料で読めちゃうみたいなので気になる方はぜひ。

まとめ

今回は、仏教の教えで役に立つものをなるべくわかりやすく紹介してきました!

仏教と聞くと、どこか遠い世界の話のような気がしますが、実際にその中身を見てみると、とても実践的で私たちにも実に多くのメリットをもたらしてくれるものだったりします。

心が落ち着かない時、不安や嫉妬に怒りなどのマイナスの感情に支配されそうな時には一度仏教の教えを思い出してみてはいかがでしょうか。

乱れた内面を落ち着かせてくれ、ふっと力を抜いてくれること間違いなしです。

この記事が、皆さんの仏教に対しての理解を深め、日々を楽に生きることができるようになる一つのきっかけとなれば幸いです!