【人生で大切なものとは】「アルジャーノンに花束を」あらすじと魅力をご紹介【外国文学の傑作】

文学・小説

外国文学の中でもとりわけ有名で、SF小説の大傑作として名高い「アルジャーノンに花束を

「アルジャーノン」とは、主人公と共に実験対象となった「白ねずみ」の名前です。

最後にはこのアルジャーノンと主人公チャーリィとの関係に心動かされることになります…

「アルジャーノンに花束を」は世界文学の面白さと奥深さを味わえると同時に、
幸せとは何なのか」についても考えさせられる文学作品です。

読むことで人生に役立つ大きな学びを得ることができ、個人的にもとてもおすすめの一冊。

そこで今回は少しでもこの作品の良さを広めたいという思いの下、そのあらすじと魅力についてなるべくわかりやすく紹介していきたいと思います!

それでは早速いきましょう!

「アルジャーノンに花束を」のあらすじ

映画「アルジャーノンに花束を」

幼児並みの知能しか持たないチャーリィは白ねずみのアルジャーノンと共に「頭を良くする」手術を受ける。

手術の結果、チャーリーは徐々に知能を獲得し、ついには「天才」並みの賢さを獲得するまでに至る。

優れた知能を獲得したことでチャーリィは、それまでは見えていなかった人の感情や社会の複雑さを知っていくことになる。

知識を得たことでこの世の酸いも甘いもを理解した彼が最終的にたどり着く「人間にとって大切なもの」とは何なのか

その過程がこの作品独特の形式で描かれます。

「アルジャーノンに花束を」の魅力

チャーリィの知能向上を感じられる作品形式

この作品はチャーリィ自身が書いた「経過報告」が積み上げられていく、という独特の形式で物語が進んでいきます。

はじめは内容も幼稚かつ平仮名ばかりで正直読者側もとても読みにくかったものが、

しだいに理路整然とした文章となっていき、内容もこの世を統べる諸学問の話など非常に高度なものへと変貌していきます。

その文章の上達ぶりから、読んでいてチャーリィの知能の向上を肌で感じることができるんですよね…

その文体の変わりようと共にチャーリィの変化をまざまざと感じられる点が、まずこの作品ならではの魅力の1つです。

障害者との関わり方

知的障害者であるチャーリィの家族や友人など彼の周りの人たちの態度や振る舞いから、現実におけるチャーリィのような「変わった」人との向き合い方について考えさせられます。

「”普通”になって欲しい」と願う母と「ありのままでいい」と言う父。

どちらが正しいと言いきることができないのが、この問題を考える上で難しいことです。

また知能向上に伴う周りの人たちとのずれやそこから生じるチャーリィに対する嫉妬も印象的です。

自分より「下」の存在だからこそ優しく接することができるという人間のある種の傲慢さのようなものを、周りの人達のチャーリィへの態度の変わりようから感じさせられます。

こうした描写を踏まえて、私たちはどのようにそうした「障害」を持つ人たちと関わっていくのが良いのか。

そんな身近だけどとても難しい問題について考えるきっかけを与えてくれるような点がある作品です。

”知ること”の落とし穴

念願だった類稀なるほど高度な知能を獲得したチャーリィが、”持った”が故の苦しみに苛まれる様子もとても印象的。

それまで何とも思ってなかったいじめや差別的な扱いから生じる苦しみ、過去の家族との因縁的な出来事が思い出される中でチャーリィは葛藤します。

また恋愛感情や性への意識に加えて自意識の目覚めによる恥じらいや屈辱感、悪に対する正義感の発現なども、チャーリィにそれまでは感じなかった感情を抱かせることになります。

昔のまま何も知らないままでいたならば決して苦しませられることがなかったことにまで悩まされるようになる彼の姿からはまさに「ジレンマ」を感じずにはいられません。

いっそ知識など放棄して“バカ”のままでいた方が楽だったのではないか。

そんなことすらも頭をよぎり、

知るということは、本当に良いことばかりなのか」ということについて、とても考えさせられます。

知性と人間性について

この作品の”核”とも言えるのが知性人間性の相反する関係」です。

「知能、論理を得る代わりに周囲から孤立し、人間としての温かさ、素直さ、思いやりが失われた」

と指摘されるチャーリィからは、さまざまなことを考えさせられます。

人からどう見られるのかを重視して知能を向上させた結果、

チャーリィにそれまでは確かにあった「人間」として大切な優しさや人との繋がりを置き去りにしてしまうというのがとても皮肉な結果で印象的。

人間的な愛情の裏打ちのない知能や教育なんてなんの値打ちもない

という作中の一節が「人間の幸せ」にとって大切なものを問い、非常に胸に迫ってきます。

そんな中でもアルジャーノンを伴う一連の壮絶な体験を通じて、最終的にチャーリィは自らの大切なものを何に見出すことになったのか。

この点は作品のクライマックスでありとても心動かされる結末になっているので、ぜひ実際に本書を読んでそのラストを味わっていただきたいです…

まとめ

今回は「アルジャーノンに花束を」のあらすじと魅力を紹介させていただきました!

「外国文学の傑作の一つ」の名に恥じない素晴らしい作品であり、人生で一度は読んでいただきたいと心から思える作品です。

この作品が気になってはいるけどまだの方は、ぜひ一度読んでみていただければと思います。

この記事が、皆さんが「アルジャーノンに花束を」の魅力を知り、実際に本書を読んで、自らの人生や幸せについて考えるきっかけとなれば幸いです!

 

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自然が多い田舎で日々文章を書いて暮らすデカい男(Z世代)

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