【込められた”哲学的メッセージ”とは】「Flowerwall」の歌詞の意味を解釈【米津玄師】

音楽

米津玄師さんのメジャー3枚目のシングル「Flowerwall

綺麗かつカラフルなメロディが魅力的で米津さんらしさがとても感じられる一曲です。

聴いているとマイナスイオンでも浴びているかのような、大きな癒しを伴う心地良さを感じることができますよね笑

そんなメロディがとても印象的な一曲ですが、実はその歌詞にも深い哲学的なメッセージが込められています。

ちょっとわかりづらいけど、よくよく見ていくとその意味する所がわかってきます。

そこで今回は、そんな「Flowerwall」の歌詞を解釈し、米津さんがこの曲で描いた物語と込められたメッセージを紐解いていきたいと思います。

それでは早速いきましょう!

結論「Flowerwall」とは

「何事も自分たちの捉え方次第」

ということを示した上で、現状の良い面に注目して前へと進んでいくことを肯定してくれるような一曲です。

「Flowerwall」(フラワーウォール)とは、米津さんの造語で文字どおり「花の壁」を意味しています。

(仲間外れで独りぼっちな人という意味の「wallflower」という語句が踏まえられていそうですが、その意味合いもだんだん明らかになっていきます)

実際に「花の壁」が目の前にあったらという場面を想像してみるとわかりやすいのですが、

「とても綺麗であると同時にどこか恐ろしさのようなもの」を感じてしまいますよね。

こうひたある種の「二面性」を持ったものの象徴としてこのフラワーウォール」が描かれています。

この「フラワーウォール」が楽曲の中では具体的にどのような意味を持ち、その上でどのような物語が展開されていくのか。

以下では歌詞を細かく見ていき、その詳細に迫っていきましょう!

「Flowerwall」の歌詞の解釈

1番Aメロ

あの日君に出会えたそのときから 透明の血が僕ら二人に通い

悲しみも優しさも 希望もまた絶望も 分け合えるようになった

知りたいことがいくつもあるというのに 僕らの時間はあまりに短く

あとどれほどだろうか 君と過ごす時間は 灯りが切れるのは

冒頭ではある2人の人物の出会いが描かれます。

その関係は親友はたまた恋人のようなものなのかはっきりとは明示されませんが、

2人がこれ以上ないほどの繋がりによって結ばれており、お互いに無くてはならない存在同士であることが読み取れます。

そのことを「透明な血が通う」と表現するのはおしゃれでさすが米津さんといったところ笑

そしてそんな2人の逢瀬にはタイムリミットがあるようです。

これだけではまだこの曲の全容はさっぱり分からないので、続きを見ていきましょう。

1番Bメロ

君のその声が 優しく響いた

こんな憂いも 吹いて飛ばすように

「こんな憂い」とは「君」と離れてしまうことへの不安を差しています。

「僕」にとって自らの不安を吹き飛ばしてくれるような「君」という存在。

ここでは「君」の行動1つ1つが「僕」にとってかけがえのないものであると同時に、「僕」をポジティブな方向に導いてくれる力を持っているということを読み取ることができますよね。

そして重要なサビへと曲は続いていきます。

1番サビ

フラワーウォール 目の前に色とりどりの花でできた 壁が今立ちふさがる

僕らを拒むのか何かから守るためなのか 解らずに立ち竦んでる

それを僕らは運命と呼びながら いつまでも手をつないでいた

ここでいよいよ「フラワーウォール」の登場です!

冒頭でも述べたとおり「フラワーウォール」は物事の「二面性」を象徴している存在です。

そのことは「僕らを拒むのか何かから守るためなのか」という歌詞から読み取れます。

「全ての物事には必ず良い面悪い面がある」

これをこの歌の2人の物語に当てはめると、

「かけがえのない関係同士でありながら、2人にはタイムリミットがある」

この事実を踏まえて、2人が目の前に現れた「フラワーウォール」をどのように捉えるのかが問題になります。

この段階ではそれに戸惑いながらもとりあえずは「運命」と結論づけた上で、先へと進んでいきます。

後に二人の出した結論も明らかになるので、ここは続きを見ていきましょう。

2番Aメロ&Bメロ

このあまりに広い世界で僕たちは 意味もなく同じ場所に立っていたのに

僕の欠けたところと 君の欠けたところを 何故かお互いに持っていた

どうして僕らは 巡り会えたのか

その為だけに 生まれてきた様な

ここでは1番のAメロBメロと同様、2人がかけがえのない存在であることが再び描かれます。

「欠けたところを何故かお互いに持っていた」という歌詞は、

2人が合わさって初めてひとつの完全なものになるという、どこか2人の間の「運命」のようなものを感じられる表現ですよね。

そのことを確認しながら、歌詞は2度目のサビへと続いていきます。

2番サビ

フラワーウォール 独りでは片付けられないものだろうと 君がいてくれたらほら

限りない絶望も答えが出せない問いも全部 ひとつずつ色づいていく

離せないんだ もしも手を離せば 二度と掴めないような気がして

ここでももう一度「僕」にとっての「君」の存在の大切さが描かれます。

1人ではどうしようもないことでも、2人でなら少しずつでも前に進めていくことができる。

そのことが「全部ひとつずつ色づいていく」とこれまたおしゃれな表現で歌われています。

「僕」はそんな何にも変えがたい「君」との繋がりを手放すことを何よりも恐れているということを感じさせ、2番のサビは締めくくられます。

そして、この曲の核心となるCメロへと繋がっていきます。

Cメロ

誰も知らない見たことのないものならば今 僕らで名前をつけよう

ここが地獄か天国か決めるのはそう 二人が選んだ道次第

米津さんの楽曲ではCメロに核心部分が描かれることが多いですが、この曲も例に漏れずそうなっています。

「誰も知らない見たことのないもの」とは、

2人の前に現れた「フラワーウォール」を含め、現在そしてこれから目の前に立ちふさがるであろうあらゆる出来事を表していると考えられます。

それらに対して今僕らで名前をつけよう」「ここが地獄か天国か決めるのはそう二人が選んだ道次第」という歌詞から

その善し悪しは自分たちの捉え方次第だ」と結論づけているのが印象的。

つまり2人はどうせ物事には良い面も悪い面もあるのだから、自分たちはそのポジティブな側面に注目して前へ進もうとする決意をしたということがわかります。

何事にもプラスとマイナスの両面がある以上、目の前の出来事に恐れて立ち止まってしまうのはもったいないことです。

それならば今の状況を前向きに捉えて、これからも歩み続けようとした方が良いということですね。

2人が出したその結論の詳細はラスサビで語られるので、続きを見ていきましょう。

ラスサビ

フラワーウォール 目の前に色とりどりの花でできた 壁が今立ちふさがる

僕らを拒むのか何かから守るためなのか 解らずに立ち竦んでる

それでも嬉しいのさ 君と道に迷えることが 沢山を分け合えるのが

フラワーウォール 僕らは今二人で生きていくことを やめられず笑いあうんだ

それを僕らは運命と呼びながら いつまでも手をつないでいた

ラストでは1番サビの一部を繰り返して物事の「二面性」を再確認してから、

2人は現在の状況をプラスに捉えて今の状況に満足した上で、共にこれからの人生を生きていくことを決めたということが読み取れます。

「それでも嬉しいのさ 君と道に迷えることが 沢山を分け合えるのが」という歌詞がとても印象的。

時間の制限があるという状況すらも、2人で過ごす一瞬一瞬を噛みしめるために必要なものとして肯定的に捉えることもできますよね。

そしてここでようやく「Flowerwall」というタイトルの意味合いにも気づけます。

「独りぼっち」という意味の「wallflower」を反対にした言葉、それが「Flowerwall」ということがこれまでの物語の内容からも読み取れ、2人が一緒に生きるということを強調されているということがわかります。

ここでようやく壮大な伏線が回収されたような感じですね笑

また最後にも「運命」という言葉が登場しますが、これは1番サビの時のようなどこか投げやりな態度でなく、

自分たちが「選びとった」というポジティブな印象を纏わせながら、この曲は締めくくられます。

内面的に変化した二人の様子がとても記憶に残るような一曲でした。

まとめ

今回は「Flowerwall」の歌詞を解釈し、そこに込められたメッセージを紐解いてきました!

物事の「二面性」について考えさせられると同時に、そのポジティブな面に意識を向けることで前に進むことを促してくれるような一曲です。

この曲には何か絶望を感じるような出来事が起こったとしても、その出来事に隠れている良い面にも目を向けさせてくれ、前を向くことを促してくれるような力があります。

まるで人生のどん底のようなネガティブな気持ちに支配された際には、この曲をもう一度聴いてみてはいかがでしょうか。

少しでも視界が開け、現状がまた違ったように見えてくるかもしれません。

この記事が、皆さんが「Flowerwall」を深くまで味わう助けとなり、この曲から人生における有益な考え方に触れるきっかけとなれば幸いです!

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自然が多い田舎で日々文章を書いて暮らすデカい男(Z世代)

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