2005年の本屋大賞を受賞し、今なお青春小説の傑作として知られる
恩田陸さんの「夜のピクニック」
ただ「夜に歩く」
それだけと言ってしまえばそれだけなのに、読んだ後はじんわりと心動かさせるような一冊です。
「なつかしい青春時代の気持ちを思い出したい…」という大人の方
「これからの青春時代を悔いなく過ごしたい…」という学生さん
そんな方に間違いなくおすすめできる作品。
今回はそんな「夜のピクニック」の魅力とおすすめポイントをご紹介していきたいと思います!
どんな作品なのかを知り、作中の言葉に触れれば、この小説を読みたくなること間違いなしです。
それでは早速いきましょう!
「夜のピクニック」のあらすじ
高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。
それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて、歩行祭にのぞんだ。
三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するために――。学校生活の思い出や卒業後の夢など語らいつつ、親友たちと歩きながらも、貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。
本屋大賞を受賞した永遠の青春小説。(引用:amazon)
「夜のピクニック」の名言とおすすめポイント
「成長」を感じることができる
青春小説に欠かすことのできない要素の1つである、登場人物の「成長」をしっかりと味わうことができるのが、まず一つこの作品の魅力。
「歩行祭」という特別なイベントの時だからこそ、ここを「境界線」として登場人物それぞれが変化、成長していく姿が印象的です。
現状から抜け出して「今」を変え、事態を前へ進めていくということは、何事においても大きな不安を伴うもの。
そうした不安や恐ろしさを振り払いながら、勇気を振り絞って前へと一歩踏み出そうとする貴子の姿からは、
「自分も何かがんばってみよう!」という気持ちになれること間違いなしです。
そんな登場人物と同じように「前進」することを後押ししてくれるような力がこの作品にはあります。
青春時代、人生の輝きの尊さを感じることができる
二度とは同じ時間を経験することができないのが青春時代であり、ひいては人生というもの。
そんな生きる上での本質的なことを、ありありと感じさせてくれるのもこの作品の魅力の一つです。
作中に出てくる
「あとで振り返ると一瞬なのに、振り返るとあまりにも長い」
「今は今なんだと。今を未来のためだけに使うべきじゃない」
「何かの終わりは、いつだって何かの始まりなのだ」
こうした言葉たちからは、「今」を大事にすることの大切さを身にしみて感じることができます。
私たちは気が付くと将来のことをあれこれ考えてしまい、いつの間にか不安に襲われたり、ネガティブな気分になってしまいがち。
もちろんそうした面が必要な時もありますが、それ以上に目の前の「今」に集中して味わい尽くすことが大事なことの方が多かったりもします。
そんなつい忘れがちで大切なことを、物語を通じて痛いほど感じることができます。
なんだか今現在に没頭している感覚を味わえてないという方にぜひ読んでいただきたいです…
小説の醍醐味を味わえる
作者によって紡がれた文章を読むことから様々な世界を想像して、それを頭の中で体験したり、登場人物の心の動きを味わうという
「小説の醍醐味」を感じることができるのもこの作品の大きな魅力の一つです。
作者の恩田陸さんは文章で情景を表すのが非常に上手い方なので、読んでいて一日の時の流れや情景の移り変わりを感じることができます。
その文章は、まるで自分も登場人物と一緒に「歩行祭」を歩いているかのような気分にさせてくれるほど。
またただ「夜に歩く」という、一見派手さがないイベントの中だからこそ、登場人物の内面の動きの丁寧な描写を楽しむことができるんですよね…
これらは「小説」という媒体だからこそ味わうことができる感覚であり、この感覚をありありと見せてくれるのが「夜のピクニック」の凄さです。
これはぜひ実際に本書を読んで、自らの体験を通じて感じてみていただきたいです…
恩田陸さんの文字による表現力の高さに驚かされると同時に、ここでしか味わえない体験ができること間違いなしです!
まとめ

今回は「夜のピクニック」の魅力とおすすめポイントを紹介させていただきました!
青春小説の傑作であり、学びもありながら独特の体験をすることができる本書。
恩田陸さんは「蜜蜂と遠雷」もとても有名ですが、こちらも負けず劣らず別角度で面白い作品です。
まだ読んだことがないという方はぜひ一度読んでいただきたいです…
人生を豊かにしてくれる体験ができること間違いなし。
今回の記事が、皆さんが「夜のピクニック」の魅力を知り、実際に読んで心動かされる経験をするきっかけとなれば幸いです!