2006年の本屋大賞を受賞し、ドラマ化や映画化もされた、リリー・フランキーさんのベストセラー「東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~」
彼とそのお母さんとの実話に基づいているストーリーで、
「母の愛」というものをありありと感じることができ、人生で大事なものに改めて気づかせてくれるような内容になっています。
「家族との残された時間の過ごし方や親孝行、自分のお母さんとの付き合い方についてちょっと考えたい」
という方にとてもおすすめの作品です。
今回はそんな本作「東京タワー」のあらすじと魅力を紹介していきたいと思います!
個人的にもかなりおすすめの一冊。
それでは早速いきましょう!
「東京タワー」のあらすじ
福岡で生まれたボクはオカンと、たまに別居中のオトンと共に暮らしていた。
北九州の田舎街でなんやかんやあっても幸せに暮らしていく3人。
そんな中で月日は流れ、オカンの支えを受けながら大人になったボクは東京へ出る。
それまでは自堕落な生活をしていたボクもようやく落ち着いた暮らしができるようになった。
そんな頃、ひょんなことからボクはオカンを東京へと招き、再び一緒に暮らしていくことになる。
土地は違えど、久しぶりに2人で暮らしていく中ではたしかな充実感を感じることができていた。
そんな全てがうまくいっていると思っていた最中、オカンの体にはガンが見つかり、事態は深刻であることが明らかになる…
「東京タワー」の魅力
「母の愛」
本作の第一の魅力はここです。
むしろこれが全てであると言っても過言ではないかもしれません。
自分のことよりも我が子のことを優先する、オカンの親心がとても印象的です。
ボクが初めて親元を離れようとする時に、お弁当と励ましの手紙を持たせて見送ってくれるオカンの優しさ。
ふらふらしてばかりで一向にきちんとした生活を送らないボクに、黙って自分が働いて作ったお金を送ってくれるオカンの姿。
自分が病気で苦しい時にも、自分のこと以上にボクのことを心配し、必死に気にかけてくれるオカンの姿。
そのどれからも自分のことよりも我が子のことを優先する、オカンの母親心をありありと感じることができます。
「親になって初めてわかる」
という感情を、この作品を読むことで自分ごとのようにすっと理解できてしまうことができます。
「母子の関係」
そんなオカンの大きな愛を受けて育ったボクも、徐々に成長していきます。
はじめはオカンにただ支えられてばかりだったボクが、安定を手にして今度は逆にオカンを支えていこうとする姿がとても印象的。
人は誰しも自らの母親から生まれてくる存在です。
「自分が同じような立場だったら、もしくは今の自分はしっかりと母に恩返しをできているだろうか」
そんな風に自らの親との関係について考えさせられます。
「家族の繋がり」
またボクとオカンの「母子の関係」に留まらず、オトンも含めた「家族の繋がり」を感じることができるのも本作の魅力。
自由奔放で掴み所がないオトンがたまに見せる愛情だからこそ、胸に響き「愛」というものについてまた違った視点から考えることができます。
普段はおちゃらけてばかりのお父さんや逆に口下手であまり話さないお父さんを持つ方は、刺さるような内容になっているのではないかと思います。
そんな普段あまり意識することのない「家族の繋がり」の大切さを、改めて教えてくれるのがこの作品の魅力の一つです。
まとめ
今回は「東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~」のあらすじと魅力を紹介させていただきました!
母の愛や親子関係、家族関係など人生にとって重要なものを深く味わうことができる作品。
読後は母や家族との残り時間に意識が向き「できる限りの親孝行をしておきたいな」と思わせてくれること間違いなし。
人生で大事なことの一つを確認させてくれる本書は、個人的に心から出会えて良かったと思える一冊でした。
まだ読んでなくて、少しでも気になるという方はぜひ一度読んでいただければと思います。
(映画も素晴らしいので、そちらもおすすめです)
この記事が、皆さんがこの作品を知り、人生にとって大切なものについて考えるきっかけとなれば幸いです!