[Alexandros] の「Waterdrop」
あまりメジャーではないですが、雨の日にぴったりであると同時に、ドロスの魅力が感じられる個人的にイチオシな一曲です。
しかし、この曲いかんせん歌詞が全編英語なんですよね。
ここはさすがネイティブ顔負けの英語を使いこなす川上洋平さんと言ったところ。
メロディだけでなくその歌詞も含めてとても良い曲なのに、その良さがなかなか伝わらないのがもどかしい…
そこで今回は、そんな「Waterdrop」の和訳と解釈から、そこに秘められた物語に迫っていきたいと思います!
この曲を深く味わいたい方や雨の日にぴったりな曲を探している方にぜひチェックしていただきたい内容です。
それでは早速行きましょう!
「Waterdrop」の和訳と解釈
1番①
Rain fall down Onto the ground
Light spread all aroundSoaked to the bone On my own
I find myself alone and gone
雨粒が地面に落ちる。光が乱反射している。
それらが骨身に染みるようだ。
そして僕は一人取り残されたことに気づく。
雨が降る中、男が一人佇み孤独を感じているという描写からこの曲は始まります。
どこか物寂しさが感じられる冒頭ですが、一体彼に何があったのか。
続きを見ていきましょう。
1番②
Sight is vague Moist and gray
Thunder is calling my nameI try to find What’s left behind
Now that she’s gone I didn’t know what turns me on
視界がぼんやりと濡れ、灰色がかっている。雷鳴が僕の名前を呼んでいる。
そして彼女が消えてしまったことで、何の拠り所もない僕には一体何が残されているのか必死に考える。
ここでは彼女と別れ、憂鬱な気分に浸っていたということが読み取れます。
視界がぼやけていることから、暗にそれまで泣いていたことを表しているのがなんともおしゃれ。
この先が危ぶまれるほど、この男にとってお相手の女性は精神的に大きな存在であったということがわかります。
1番③
Oh take me to the place Where I can see the face
I’m hunger for embrace But all I see is traceI try to make it clear What lies beneath the fear
I shut down all my ears And a splash
彼女の元へ連れて行ってくれ。僕は彼女を抱きしめたくて仕方がない。
しかし僕が見ているもの全ては幻だ。
僕は恐怖の裏に隠れたものを明らかにしようとして、両の耳を塞ぐ。そして、
「彼女に会いたくて仕方がない」
という男の心情が描かれます。その思いの強さは彼女の幻を見てしまうほど。
そんな風に打ちひしがれている中、男はちょっとした違和感を感じます。
それが一体何なのかを探ろうとし、彼は耳を塞いでみます。
1番サビ
Of water drop Inside my head
Tells me she was gone I’m left aloneDidn’t know I didn’t understand
What’s just going on in meI saw her face Followed the trace
But when I found the place I saw your body fading outI wish I was inside of you
I wish I was inside of you
頭の中に水しぶきの音。それが告げるのは、彼女が僕のもとを去って僕は一人残されたということだ。僕に何が起きたのか、さっぱりわからない。僕は彼女の顔を眺め、その輪郭を追った。だがその時、君の姿が消え去ろうしているのを目にした。そして、君の中に僕という存在があることを願わずにはいられないんだ。
男は頭の中で水しぶきを感じるという不思議な現象に遭います。
何気ない物音がやけにうるさく感じられるなど、静かな環境ではより一層自らの孤独が強く感じられるもの。
そんな状況から彼女が自分の元を去り、男が一人になってしまったことを実感している描写です。
今はもう目の前にいない姿を自然と追ってしまうことから、男は未だに彼女への未練があることにも気づけます。
そして2番へと続いていきます。
2番①
Rain rise up Without a tap
An empty coffee cupSoaked to the bone Alone and gone
I find myself back in toneThe sight is clear Filled with fear
Thunder is growling in my ear
音もなく雨が上がる。空っぽのコーヒーカップが、君がいないことをまた僕の骨身に知らせる。怖いけど視界はクリアだ。雷鳴が耳の中で大きくなっていく。
このあたりから徐々に彼の心情にポジティブな変化が見られるようになります。
1番では「Sight is vague」だったのが「clear」に変わっているのが印象的。
まだ恐怖は感じながらも、一歩ずつ前に踏み出そうとする様子が読み取れます。
2番②
I try to walk Along the clock
I knew I can’t go back But I just made it unlockedOh take me to the past Where all my soul will last
My heart is beating fast And all the dice is castI try to make it clear What lies beneath the fear
I shut down all my ears And a splash
僕は時計に合わせて歩き出そうとする。過去に戻れないことは知っているけど、思い出はそのままにしておかせてくれ。ああ、僕を過去に連れ戻してくれ。あの時、僕の魂はそこにあった。鼓動はどんどん早くなり、そして賽は投げられた。僕は恐怖の裏にあるものを明らかにしようと思う。また耳を塞ぐ。そして、
過去の思い出を引きずりながらも、このままでいるわけにはいかないので、一歩踏み出そうとする男の様子が描かれます。
やはり男にとって相手の女性の存在はとてつもなく大きな存在だったようです。
「賽は投げられた」ということわざを用いて、もう行くしかないという男の決意が表されています。
しかし1番と同様に違和感を感じた男。
そしてまた耳をふさぐと…
2番サビ
Of water drop Inside my head
And tells me was gone and left aloneDidn’t care I didn’t even care
What’s just going on around my fateI saw my face Followed the trace
But when I found the place I saw myself is being erasedI need more time to find out why
I need more time to find out why
頭の中で水しぶきの音。それは僕が取り残され、一人になったことを告げる。僕の運命に降りかかったことなど知ったものか!僕は僕自身の顔を見て、その輪郭を目で追う。だが僕自身の面影は消えかかっていた。立ち直るには、もう少し時間が必要なようだ…
再び頭の中で水しぶきを感じ、男は取り残された孤独を感じてしまいます。
しかし1番サビでは彼女のことばかり追いかけていたのが、今度は自分自身に目を向けようとするのが印象的。
しかしまだ自分に確固たる自信を持つことができず、それもうまくはいきません。
そして曲はラストへと繋がっていきます。
ラスサビ
A water drop And I can’t stop
I’m running outta time for rising upI don’t know I didn’t know what’s going on inside my head
But I knew I can find out whyI saw your face Followed the trace
But when I found the place I saw my face is being erasedI wish I was inside
I wish I was inside
I wish I was inside of youRain fall down
Onto the ground
また水しぶきの音がするが、僕はもう止まれない。立ち上がるのに時間が切れかかっているんだ。僕の頭の中で何が起こったのかは今もわからない。だがこれまでのことが一体何だったのかは、わかったよ。僕は君の中に、僕という存在があって欲しかったんだな。雨粒が地面に落ちる。
「もう止まらない」
と決心した男は、また歩み始めます。
そして彼自身、まだ彼女に未練があったことを改めて自覚します。
ここで「I wish I was inside of you」として、「仮定法」が使われているのが印象的。
実は彼自身、彼女が自分のことを覚えてくれているのを、心の奥では諦めている。
そんな事実をこの仮定法が使われていることから読みとることができます。
なんとも悲しい結末…
そして最後は冒頭と同じように、雨が地面に落ちる描写と共に、この曲は締めくくられます。
まとめ
今回は「Waterdrop」の和訳と解釈から、この曲に込められた物語を紐解いてきました!
ある男女の別れに際した思いを歌った曲であり、雨の日に聴くとよりその魅力が味わえるような一曲です。
[Alexandros]の曲は英語の曲でも丁寧に紐解いていくと、そこには心に残る物語が描かれていることに気づかされます。
英語が難しく感じられても、粘り強く何度も聴いてその歌詞の意味に食らいつくのも楽しみ方の一つ…笑
今回のように、より一層「ドロス」を味わえること間違いなしです。
この記事が、皆さんがこの曲の理解を深めて、実際に聴いて心に響くような体験をする一つのきっかけとなれば幸いです!