アニメも放送され、盛り上がりを見せている「ブルーピリオド」
この漫画作品は、美大受験を舞台にした芸術系スポ根マンガです。
そのタイトルはあのピカソの「青の時代」から来ているとされています。
この作品は面白いのはもちろんのこと、作中で自らの人生で活かすことができ、人生を振り返るきっかけとなるような力のある言葉たちが飛び交います。
僕自身この作品を読んでいて、まるで自分の気持ちを代弁してもらっているかのような気持ちになり、何度も鳥肌が立つのを感じました。
そこで今回は「ブルーピリオド」の作中での名言をあらすじや魅力と共に紹介していきたいと思います!
- 「ブルーピリオドの魅力について知りたい」
- 「他人ではなく、自分の人生を生きたい」と考えている
- 「背中を押してくれる言葉、実生活で役立つ考えを知りたい」
こんな方にぜひチェックしていただきたい内容です。
それでは早速あらすじから見ていきましょう!
- 「ブルーピリオド」のあらすじ
- 「ブルーピリオド」の魅力
- 「ブルーピリオド」に出てくる名言
- この感動は誰のものだ?この感動は俺の感動じゃない
- あなたが青く見えるなら りんごもうさぎの体も青くていいんだよ
- 好きなものを好きっていうのって 怖いんだな
- 「好きなことは趣味でいい」これは大人の発想だと思いますよ
- 頑張れない子は好きなことがない子でしたよ 好きなことをする努力家はね最強なんですよ!
- 絵を描くようになって、見えてたはずの景色が今までよりはっきりと見えるようになった。 知ってるはずなのに今まで何も知らなかったような気さえした
- 悔しいと思うならまだ戦えるね
- 本で読んでもわからないから面白いんだ。理論は感性の後ろにできる道だ
- 俺はただの人だ。特別じゃない。天才にはなれない。やった分しか上手くならない。だったら天才と見分けがつかなくなるまでやればいい それだけだ
- 世間が良いっていうものにならなきゃいけないなら 俺は死ぬ
- 武器の少ない人が武器の多い人に勝つのは難しい。 でも武器が少ない分身軽に動ける
- 好きなことをやるっていつでも楽しいわけじゃないよ
- 自分が「普通」だと思ってることは案外「その人らしさ」だったりするのよ
- 絵を描くまで俺ずっと”透明”だった
- 作品は諦めたらそこで完成よ
- ほんとはなんだってやっていいはずなんだよね 自分の人生 自分のものなんだから
- 一緒に聴きたい音楽:「群青」YOASOBI
- まとめ
「ブルーピリオド」のあらすじ
周りの評価や世間の価値基準に合わせてばかりの高校2年生、矢口八雲(やくも)。
そんな彼が「絵」と出会ったことで美術の世界にのめり込み、非常に狭き門である藝大合格を目指すことを決心する。
自分が本当に好きで心からやりたいと思えることと「現実」との葛藤や美術を勉強する中で出会う仲間やライバルたちとの切磋琢磨、
また絵と向き合うことで八雲が自分自身を見つめ直し、技術的にも精神的にも成長していく様子が描かれます。
「ブルーピリオド」の魅力
芸大の世界
芸大入試のリアルや様々な表現技法など美術の奥深さに触れられるのが、この作品の魅力の1つです。
いわゆる世間一般の「受験」とは全く異なる基準やルールで行われる「美大受験」の世界観を存分に感じることができます。
また芸大の中の様子を垣間見ることができるのも面白いポイント。
「変人の巣窟」という漠然としたイメージしてがある芸大。
そこでは実際にどんな生徒たちがどんな教員からどのような授業や課題に取り組んでいるのか。
そんな内部なリアルに触れることができるのも「ブルーピリオド」の魅力の一つです。
アートの世界
またその中でアートや絵画の見方や魅力、その根底にある哲学的な考えなど、芸術の奥深さに触れることができるのも魅力的です。
アーティストの方たちはとても頭を使って作品制作をしているということにも気付かされます。
課題やテーマに対してまずは自分で徹底的に解釈をする。その上で自らの考えを表すための形態やスタイルを考えた上で形にしていく。
一見なんとなくの感覚的に作られたものとして見てしまいがちですが、その考えを打ちのめされます。
そんなアートに対しての楽しみ方や新たな捉え方を学べるような点があるんですよね。
僕のような美術初心者が読んでも理解できるように、わかりやすく解説してくださっているので、アートの世界に少し興味があるという方にもおすすめです。
どう生きるか
そして何より人生について考えさせられる名言に触れられるのも、大きな魅力です。
読んでいると、「良い人生」や本心に従う大切さについて、思わぬ方向から考えさせられ、知見を広げてくれるような体験をすることができます。
以下では実際に、胸に響く作中の言葉を紹介していきたいと思います!
「ブルーピリオド」に出てくる名言
この感動は誰のものだ?この感動は俺の感動じゃない
話の序盤で友達とサッカー観戦をしていた八虎が感じたこと。
人の幸せや努力の成果を外から傍観しているだけでは、決して得ることができない感動がこの世界にはあります。
あくまで自分の人生の主人公は自分自身。
このことを改めて感じさせてくれるような言葉です。
あなたが青く見えるなら りんごもうさぎの体も青くていいんだよ
「渋谷が青い」と自分が感じたことを話した八虎に対し、森先輩がかけてくれた言葉。
この世の中には「正解が1つしか存在しないこと」というのは珍しいです。
1つの問題にいくつもの答えで返すことができるのがリアルな世界というものです。ことに芸術の世界においては尚更でしょう。
だからこそ自分が本当はどのように感じているのか、自分には目の前の物事がどう見えているのかをしっかりと理解し、それに自信を持つことが大切です。
他人や世間の尺度ではなく、自信を持って自らのものさしで周りを測ることの大切さを教えてくれるような言葉です。
好きなものを好きっていうのって 怖いんだな
それまで他人に合わせた発言をしてきた八虎が、あの朝自分に見えた「青い渋谷」を描く中で感じたこと。
自分の好きなことや本当に思っていることを形にして表現することには、他人からどう見られるか、どう評価されるか、などの不安が付きまといます。
それは自分が価値を感じていることだからこそ、それを否定されることへの恐怖は一層高まります。
そのことを実際に表現してみて始めた気づいた八虎。
自らを表現することの難しさとそれを実践してみることの大切さを教えてくれるような言葉です。
「好きなことは趣味でいい」これは大人の発想だと思いますよ
本気で美大を目指すかどうか悩む八虎に対し、佐伯先生が言った言葉。
一度しかない自分の人生で、好きなことに最も時間を割くのは当然のようでいて、なかなか難しいのが現実です。
あまり好きではないけど「正しい」仕事をしてお金を稼ぎ、その余った時間で好きなことを趣味として楽しむ。
世の中ではある種このように考えるのが「当たり前」となっているようなところがあります。
そんな世間の常識に対し「好きなことに一番ウエイトを置くべきだ」と一石を投じてくれるような言葉です。
頑張れない子は好きなことがない子でしたよ 好きなことをする努力家はね最強なんですよ!
同じく美大受験を悩む八虎に対し、佐伯先生が放った言葉。(1巻)
自分が好きでもないことを頑張ろうとするのは非常に大変なことです。
やらなければいけないことややれと言われたことに対して人間は、なかなかモチベーションを発揮できないということもわかっています。
逆に好きなことであれば、自分では頑張っているつもりもないのに、自然とやってしまっているということが皆さんも一度は経験があるのではないでしょうか。
自分では好きだから、楽しいからやっているだけのことが、周りから評価される対象になるのであれば最高ですよね。
そんな自分の好きなことを見つけることの大切さを教えてくれるような言葉です。
絵を描くようになって、見えてたはずの景色が今までよりはっきりと見えるようになった。 知ってるはずなのに今まで何も知らなかったような気さえした
美術部に入部し、本格的に絵を描き始めた時に八虎が感じたこと。
やってみて初めてわかることっていっぱいありますよね。
勉強した知識だけで知った気になっていたことも、実際にやってみるとそれまで見えていなかった箇所が見えるようになる。
またその中で得た知識が、周りの景色をそれまでと違うように見ることを可能にしてくれるということも往々にしてあります。
あれこれ考えてばかりでなく、まずはやってみることの大切さに気づかせてくれる言葉です。
悔しいと思うならまだ戦えるね
予備校で圧倒的な才能を目の当たりにして、ショックを受けると共に悔しさを感じる八虎に対し、ユカがかけた言葉。
自分には手の届かないような存在に対しては、嫉妬や悔しさを感じることすらないものです。
逆にそういった感情を抱いたということは、がんばればその存在に近づき、追い越す可能性が自分の中に秘められているということ。
マイナスの感情をプラスに捉え直すことを助けてくれるような非常にポジティブな力を持つ言葉です。
本で読んでもわからないから面白いんだ。理論は感性の後ろにできる道だ
初めて実際に油絵を描く中で、八虎が感じたこと。
実際に自分で経験してみることで初めてわかることというものが世の中にはたくさんあります。
経験を重ねる中で自らの中に積み重なっていったものが、自分なりの「理論」になる。
知識ばかりで頭でっかちになるのではなく、実際に行動してみることの大切さを教えてくれるような言葉です。
俺はただの人だ。特別じゃない。天才にはなれない。やった分しか上手くならない。だったら天才と見分けがつかなくなるまでやればいい それだけだ
天才の世田介と自分を比べ、一度は打ちひしがれながらも、また頑張ることを決めた八虎が思ったこと。(1巻)
どの世界にも天賦の才を持つ人というものは存在するわけですが、その人と自分との差に絶望して何もしなければ、その距離は永遠に近づくことはありません。
たとえ始めは途方もなく感じられるような距離があっても、自分がその世界で頑張ると決めた以上、少しずつ努力を積み重ねて行くしかない。
圧倒的な才能を持つ相手や果てしなく遠い目標に対しても、ひたすら努力を続けることの大切さを教えてくれる言葉です。
世間が良いっていうものにならなきゃいけないなら 俺は死ぬ
好きな男子に振られ、自らのアイデンティティに葛藤するユカが放った言葉。
私たちはどうしても世間体を気にして、自分のやりたいようにやることを躊躇してしまいがちです。
自分の本心がどう感じるかよりも、他人にどう見られるかが行動の価値基準になってしまうことが多いのではないでしょうか。
そんな中でユカはどこまでも自分を貫き通すことを宣言します。
「自分を曲げない」で自らの本心に素直に生きる
こういう生き方もあるということに気づかせてくれると同時にユカの心の強さを感じられるような言葉です。
武器の少ない人が武器の多い人に勝つのは難しい。 でも武器が少ない分身軽に動ける
少ない知識と技法の中で良い絵を描いた八虎に対して、大葉先生が言った言葉。(2巻)
短い人生の中で全てを極めるのは無理があります。
このことを踏まえ、自分の強みを見極めた上で、そこを徹底的に伸ばして、活かすことに注力することで強者と渡り合うことが可能になります。
勝ちたいならあれこれと手を出すのではなく、逆に選択肢を絞ることも有効な手段であるということに気づかせてくれる言葉です。
好きなことをやるっていつでも楽しいわけじゃないよ
少しずつ絵がわかってきたと思ったら、またわからなくなることを繰り返す中で、八虎が感じたこと。
自分の好きなことを全力でやっているからこそ、結果が出ない時は余計苦しみが募ります。
また好きなことをやっている最中でも、苦しいことはどうしてもあります。好きなことをするためには、好きじゃないことも必ずしなくてはいけません。
しかしそこを乗り越えた先に、言葉では表せないような喜びがあるというのも間違いない事実でしょう。
その瞬間のためにどれだけコツコツと努力を続けられるか。
好きなことをやることは一筋縄ではいかない複雑さを孕んだものであるということに気づかせてくれる言葉です。
自分が「普通」だと思ってることは案外「その人らしさ」だったりするのよ
みんなでスケッチブックの講評をしている時に、大場先生が言ったこと。
自分ではなんとも思っていないことが、他人から見るとすごいことであるということはよくあります。
自分はそれに常に触れているため、その価値、そこに潜む才能に気づくことがなかなかできません。
そんな時に、自分を客観視している他者の視点が思わぬ気づきをもたらしてくれます。
自分という存在を一歩引いて見てみることの大切さ、また他者の視点の有用性を教えてくれるような言葉です。
絵を描くまで俺ずっと”透明”だった
藝大入試本番で作品を描き終えた時に、八虎が感じたこと。(6巻)
何かに全力で取り組むことで初めて、自分らしさが見えてくることが往々にしてあります。
八虎は絵に全身全霊で取り組む中で初めて、自らの性格や思考、ひいては自分という存在をしっかりと手触りを持って理解しました。
好きで熱中できることに取り組むことで、楽しさややりがいの他にも得るものがあるんだなということを教えてくれるような言葉です。
作品は諦めたらそこで完成よ
入試の全日程を終えた八虎に対し、大場先生が放った言葉。
一見諦めることを肯定しているようで、諦めないことの大切さを説いています。
諦めてそこで完成ということにしてしまえば、一応作品は1つの結末を迎えます。
しかし逆に諦めなければ、どこまでも作品をより良くすることができます。その終わりのない作業に取り組めるかは当の本人次第です。
スラムダンクの安西先生の「諦めたらそこで試合終了ですよ」をどこか感じさせてくれるような言葉です。
ほんとはなんだってやっていいはずなんだよね 自分の人生 自分のものなんだから
自分を見失い悩む八虎が、動物園で桑名さんと再会した時に放った言葉。
人は現状を変えることに恐怖を感じてしまう生き物です。
これは脳の仕組み上、ある程度は仕方がないことなのですが、そのためにただ恐れから逃げながらなんとなくその時の心地よさだけを頼りに生きていくことはすごく勿体ないことです。
一度きりの人生。
自分のものなのだから、他人や世間からどう見られようと、自由にいろんなことをやって生きることの大切さを教えてくれるような言葉です。
一緒に聴きたい音楽:「群青」YOASOBI
Ayaseさんが「ブルーピリオド」をモチーフに制作した楽曲です。
今回紹介させていただいた言葉たちも歌詞の中に登場しており、一緒に聴くことで「ブルーピリオド」という作品をより一層味わうことができます。
「ブルーピリオド」という別形態の作品の世界観を、ここまで自らの音楽に落とし込むAyaseさんのすごさを感じることができる一曲です。
まとめ
今回は「ブルーピリオド」の魅力と名言を紹介させていただきました!
一度きりの人生において、自分が好きなことに本気で取り組むことの大切さを教えてくれる作品です。
人生の方向性や今やっていることに疑問を感じてしまった時に何度も読み返したくなるような作品でもあります。
まだ読んでいないという方は、ぜひ一度読んでみていただきたいです…
人生について考え直すきっかけとなってくれることを保証します。後悔はさせません。
今回の記事が、皆さんが「ブルーピリオド」の魅力を感じ、実際に本書を読んで、自らの人生に響く言葉に出会うきっかけとなれば幸いです!