小説を読んでいると、意図せずに理系の世界に触れられることがあったりしますよね。
「the文系」である小説を楽しみながら、数学や科学、テクノロジーについて理解が深められるとちょっと得した気分になります。笑
しかもそのような作品は、サイエンス的要素がうまく物語に落とし込まれていることが多く、他のものとはまた違った面白さを味わうこともできたりも。
そこで今回は、理系の世界に触れられるおすすめ小説5選を紹介していきたいと思います!
理系の方はもちろん、面白い作品を探しているという方にもぜひチェックしていただきたい内容です。
それでは早速いきましょう!
理系の世界に触れられる小説5選
博士の愛した数式
【あらすじ】(引用:Amazon)
[ぼくの記憶は80分しかもたない]博士の背広の袖には、そう書かれた古びたメモが留められていた──
記憶力を失った博士にとって、私は常に“新しい”家政婦。博士は“初対面”の私に、靴のサイズや誕生日を尋ねた。数字が博士の言葉だった。
やがて私の10歳の息子が加わり、ぎこちない日々は驚きと歓びに満ちたものに変わった。
あまりに悲しく暖かい、奇跡の愛の物語。
小説を読みながら理系の世界に触れられる作品と言ったら外せないのが「博士の愛した数式」
数学の美しさというものをこれでもかと言うほど感じることができます。
特に「オイラーの等式」なんかは凄まじいです。
また数学だけでなく、博士とのやりとりから優しくも心動かされる愛を感じることもできるのも魅力的。
まさに数学と人間の感情が交差する美しい物語です。
主人公の数学者が数式を通じて人生や愛を理解し、読む者に数学の美しさを伝えてくれます。
容疑者Xの献身
【あらすじ】(引用:Amazon)
天才数学者でありながら不遇な日々を送っていた高校教師の石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に秘かな想いを寄せていた。彼女たちが前夫を殺害したことを知った彼は、2人を救うため完全犯罪を企てる。だが皮肉にも、石神のかつての親友である物理学者の湯川学が、その謎に挑むことになる。ガリレオシリーズ初の長篇、直木賞受賞作。
東野圭吾さんの代表作「容疑者Xの献身」
これを読まずして、彼を語ることはできません。
彼の凄さをこれでもかというほど味わうことができる作品です。
数学の要素が組み込まれたトリックに痛快な伏線回収、そして心揺さぶられるラスト。
その中で天才物理学者と天才数学者の頭脳戦が繰り広げられるというたまらない展開…
東野圭吾さんの作品を読んだことがないという方は、この作品から読み始めていただければと思います。
読後は彼の世界観の虜になること間違いなしです笑
天地明察
【あらすじ】(引用:Amazon)
徳川四代将軍家綱の治世、ある「プロジェクト」が立ちあがる。即ち、日本独自の暦を作り上げること。当時使われていた暦・宣明暦は正確さを失い、ずれが生じ始めていた。改暦の実行者として選ばれたのは渋川春海。碁打ちの名門に生まれた春海は己の境遇に飽き、算術に生き甲斐を見出していた。
彼と「天」との壮絶な勝負が今、幕開く――。
江戸時代の科学者・渋川春海の人生を描いた歴史小説の傑作「天地明察」
当時の日本の和算や天文学について触れられるのが魅力的です。
彼が日本で初めて行った天文観測や科学的な研究が中心となり、日本の科学史について理解を深められます。
そして夢を追うことの素晴らしさを改めて感じることができるような作品でもあります。
自らの人生の方向性に迷った際に読み直したくなるような「道標」となってくれるような一冊です。
日本沈没
【あらすじ】(引用:Amazon)
鳥島の南東にある無人島が、一夜にして海中に沈んだ。深海潜水艇の操艇責任者の小野寺は、地球物理学の田所博士とともに、近辺の海溝を調査し、海底の異変に気づく。以降、日本各地で地震や火山の噴火が頻発。自殺した友人を京都で弔っていた小野寺も、大地震に巻き込まれ、消息不明になるが、ある日突然、ナポリの消印がある辞表が会社に届いた。どうやら田所の個人研究所と関係があるようで…。
誰しもタイトルはどこかで一度は聞いたことがあるであろう「日本沈没」
日本SF史における大傑作として燦然と輝き続ける名作です。
この作品では日本列島が地殻変動により沈没するという圧倒的にスケールの大きい未来を描いています。
その中でも地理学や自然災害に関する科学的な要素が含まれており、そこからは膨大な量の科学的エビデンスを感じることができます。
また日本が海に沈みかねないような大災害に襲われたパニックの状況が、小松左京さんによって圧倒的なスケールで描かれます。
「地震大国日本」に住んでいる以上、読んでおいて損はないと言うことができるような名作。
まだの方はぜひ…
希望の国のエクソダス
【あらすじ】(引用:Amazon)
2002年秋、80万人の中学生が学校を捨てた。経済の大停滞が続くなか彼らはネットビジネスを開始、情報戦略を駆使して日本の政界、経済界に衝撃を与える一大勢力に成長していく。その後、全世界の注目する中で、彼らのエクソダス(脱出)が始まった――。
この作品では中学生が日本に独立国家を作ろうと奮闘しますが、その中で最近流行りの「フィンテック」に触れることができます。
ブロックチェーンに基づいた独自通貨の発行や暗号資産やDAOがなどの要素が盛り込まれているため、これから来るのが確実視されている「Web 3」の外観を掴めるのが魅力的。
またそこに至った動機となる日本の現状や問題点について知ることができたりもします。
今後の日本はどうしていくべきなのか、そしてそれを踏まえた上で自分はどう行動すべきなのか。
そんなことについて考えさせられること間違いなしです。
まとめ
今回は、理系の世界に触れられるおすすめ小説5選を紹介してきました!
小説を読みながら理系の世界についても知れるのは、なんだか得した気分になれて良いもの笑
どの作品も数学や科学、テクノロジーが作品の中でとても良い役割を果たしたり、物語のキーとなっているのがうまいなあと思わされます。
普段こうした領域にあまり馴染みがない方は、自らの世界を広げてくれるような機会になってくれるかもしれません。
少しでも気になったものがあれば、ぜひ一度読んでいただければと思います。
この記事が、皆さんの小説選びの一つの参考となれば幸いです!