実に多くの魅力がある「映画」
その一つに普通に生きているだけでは出会えないような、いろいろな世界に触れられるというものがありますよね。
それは今現在の複雑な社会問題などにまで及ぶこともしばしば。
観ていてただ楽しいというだけでなく、何か学びを得られるというのも間違いなく映画の醍醐味の一つと言えるでしょう。
ニュースやSNSなどで見聞きするだけではなかなか頭に入ってこないようなことでも、
それに対して、映画という形で一つの物語として向き合うことで、ある種の実感を伴って理解することができたりもします。
今回はそんな現代社会について知れる映画の中から、観ておいて損はない作品を紹介していきたいと思います!
手放しで全員におすすめできるような「面白さ」があるかと言われると難しいところ。
しかし確実に学べることがあり、世界を広げてくれるような作品を厳選してみました。
それでは早速いきましょう!
社会を知るのに役立つ映画11選
存在のない子供たち
https://youtu.be/6pA1Q1LbIoE?si=bEf33xrjk_Es07yc
カンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞し、世界各国でも高い評価を得た「存在のない子供たち」
レバノンのベイルートにある貧民窟で暮らす12歳の少年を主人公とした物語です。
彼は両親が出生届を提出していないため、法的には存在していない子供です。そのため、学校に通ったり、医療を受けたりすることができません。
そんな彼を通じて、貧困や移民、児童虐待など、様々な社会問題に触れる事ができます。
本作は観る人の心に深く訴えかけてくるような力があるので、貧困や移民問題に関心がある方はもちろん、それ以外の方にもすべての人に観ていただきたい作品です。
娘は戦場で生まれた
シリア内戦の様子を収めたドキュメンタリー映画「娘は戦場で生まれた」
作中では、実際に戦場で撮影された凄惨な現地の状況を目の当たりにすることができます。
鳴り止まない爆撃音に崩壊する建物、続々と運び込まれてくる血だらけの負傷者たちといった、観ていて目を背けたくなるほどの映像がそこにはあります。
その中でもタイトルにもある、撮影者の娘である赤ん坊の何にも汚されていない「純粋さ」が、戦場の様子とものすごい対比になっているのも印象的。
観ると、今当たり前に生きられていることに感謝せずにはいられなくなる。
そんな作品です。
ブラック・クランズマン
世界史に出てくる「KKK」(クー・クラックス・クラン)
白人至上主義団体であり、黒人ヘイトの権化とも言えるような存在です。
人種問題。
その根深さについてまざまざと感じることができるような作品。
なぜ黒人差別というのはなかなか解決しないのかというのを思い知らされます。
同じテーマを扱った作品では「ゲット・アウト」もおすすめ。
マネー・ショート
2009年の「リーマンショック」
それはなぜ起こったのかがわかるような映画。
文字を追うだけではなかなか理解するのが難しい「金融」について、一つの物語を通じて腑に落ちるのが感じられるような作品です。
また人はお金が絡むと正常な判断ができなくなり、品をも失っていくということを目にすることもできます笑
ソーシャル・ネットワーク
世界を席巻する企業GAFAの一角「Facebook」がいかにして生まれたのかがわかる作品「ソーシャル・ネットワーク」
天才マーク・ザッカーバーグの傍若無人ぶりが圧巻で、時代を作るような人物というのはどこかぶっ飛んだ存在なんだなと思い知らされます。
プログラミングやアプリ開発などのテクノロジーに触れられるのも面白いポイント。
今世の中にあるサービスの土台を垣間見ることができるような作品です。
ボーリング・フォー・コロンバイン
アメリカの銃乱射事件が起きた原因に迫っていくドキュメンタリー映画です。
その過程の中で資本主義社会におけるメディアの影響力にスポットが当たっていくのが印象的。
日本においても同じようなことが当てはまると言え、自らの身の回りの社会に対する見方を少し変えてくれるような作品です。
チョコレート・ドーナツ
ダウン症の男の子とゲイカップルの二人が絆を深めていく様子が描かれます。
いわゆる「マイノリティ」の立場にとても寄り添うことができるような作品。
物語のラストでは「本当は何が正しいのか」ということについて、とても考えされられます。
リリーのすべて
「女性になりたい」
そんな願望を持つ一人の男の半生が、エディ・レッドメインの圧巻の演技と共に描かれます。
LGBTについて、その内面からも理解を深められるような作品。
「こういう人もいるんだな」と世界を広げてくれるような内容になっています。
プロミシンング・ヤングウーマン
アカデミー賞脚本賞も受賞している「プロミシング・ヤングウーマン」
社会における女性の立場の弱さや「性」に関する問題の暗さや根深さ。
それらをとても感じることができる作品になっています。
ある意味で痛快とも言えるラストは、なかなかに衝撃のものになっているので必見です。
サウンド・オブ・メタル
「耳が聞こえない」
そのことを体験できるような映画「サウンド・オブ・メタル」
しだいに音が失われていく様子や補聴器をつけるとどのように聞こえるのかが、優れた音響技術によって再現されているのが特徴的。
ここでしか味わえないないような独特の体験をすることができます。
日常の中で普通に「聞こえる」ということについて、改めて考え直すことができるような作品です。
ファーザー
認知症の恐ろしさを、これでもかというほど味わうことができるような作品「ファーザー」
実際の認知症患者になったかのような体験をできるのがとても画期的。
観ていて「どういうこと?」となること間違いなし。
そんな中でも家族の繋がりや愛といったものにも思いを馳せさせられます。
自分や家族がそうなってしまった時のことを考えずにはいられないような作品です。
まとめ
今回は、今の世界を知るのに役立つ社会派映画を紹介してきました!
私たちの生きる世界は、さまざまな歴史や社会的な要素の上に成り立っているもの。
こうしたものについて、物語を通じて知ることができるというのも映画の魅力の一つです。
「面白いから観て!」
と誰にでもおすすめできる作品とは言えませんが、好きな人には堪らないようなものばかりだと思うので、気になったものから実際に観ていただければと思います。
この記事が、皆さんが勉強になる映画作品に出会い、自らの世界を広げる一つのきっかけとなれば幸いです!