実に多くの魅力がある「映画」
その一つに普通に生きているだけでは出会えないような、いろいろな世界に触れられるというものがありますよね。
それは歴史的な出来事などにまで及ぶこともしばしば。
観ていてただ楽しいというだけでなく、何か学びを得られるというのも間違いなく映画の醍醐味の一つと言えるでしょう。
教科書や書籍などで見聞きするだけではなかなか頭に入ってこないようなことでも、
それに対して、映画という形で一つの物語として向き合うことで、ある種の実感を伴って理解することができたりもします。
今回はそんな観ると勉強になる歴史映画の中から、観ておいて損はない作品を紹介していきたいと思います!
手放しで全員におすすめできるような「面白さ」があるかと言われると難しいところ。
しかし確実に学べることがあり、世界を広げてくれるような作品を厳選してみました。
それでは早速いきましょう!
観ておいて損はない歴史映画10選
シンドラーのリスト
歴史上最悪な出来事とも言われる、ナチスの「ホロコースト」の様子を描いた映画史に残る名作「シンドラーのリスト」
その惨状から一人でも多くのユダヤ人を救おうとした男の様子が描かれます。
「戦争は人間をおかしくする」
そのことをまざまざと感じさせられると同時に、人の内側にある他者を思う美しさにも触れることができる作品。
長い歴史を経てきた人類の一人として観ておいて損はないです。
戦場のピアニスト
ポーランドのピアニストであるヴラディスラフ・シュピルマンの実話に基づく作品「戦場のピアニスト」
物語は第二次世界大戦中のナチス占領下のワルシャワを舞台にしており、主人公のシュピルマンは、ユダヤ人のピアニストとして、戦争の中で生き抜く苦闘を描いています。
ワルシャワのゲットーに閉じ込められたり、強制収容所に移送されそうになるなど、ユダヤ人が経験した壮絶な過去を追体験できます。
そんな苦難の真っ只中だからこそ、彼が奏でるショパンの旋律の美しさが際立ちます。
人間の暗い過去と同時に音楽の力を感じられるような名作。観ておいて損はなしです。
それでも夜は明ける
忌まわしき「奴隷制度」の闇をまざまざと感じることができるのが、この「それでも夜は明ける」
今でも根深く残る人種問題のルーツとなっている事柄について知ることができます。
観ていてとにかく痛々しさを感じてしまうような内容ですが、当時のアメリカの空気感や奴隷への向き合い方を垣間見れるような作品。
「本当に邦題はこれでよかったのか?」
と思わされるような何とも言えないラストも必見です。
ヒトラー最期の12日間
第二次世界大戦の佳境、敗戦が間近に迫ったヒトラーとドイツ軍の様子が描かれます。
これ以上ないほどに追い詰められ、正常な判断ができなくなっていく人間の様子がとても印象的。
あの戦争においては、ドイツ国民もある意味で被害者であるということがわかるような作品です。
アンダーグラウンド
パルムドールも受賞している名作「アンダーグラウンド」
かつて南欧に存在した旧ユーゴスラビア連邦の歴史についての物語。
第二次世界大戦からその解体までの激動様子が、アレゴリーやユーモアを交えながら描かれます。
この土地のジプシー音楽が終始鳴り響いているのもとても印象的。
「モザイク国家」とも称された、ユーゴスラビアの複雑な歴史について考えるきっかけになってくれるような作品です。
善き人のためのソナタ
分割統治下のドイツが舞台の作品で、特に東側における監視社会の実情がよくわかります。
自由が徹底的に制限される東ドイツにおいて、それでも残る「善意」にスポットが当てられます。
そんな人間の心の美しさのようなものを感じられるラストシーンでは、心動かされること間違いなし。
同じく東西ドイツを描いたものだと「グッバイ・レーニン!」もおすすめです。
プラトーン
オリバー・ストーン監督の代表作で、アカデミー作品賞も受賞している「プラトーン」
若い志願兵クリスが、ベトナム戦争の過酷な戦場を生き抜く中で、戦争の狂気を目の当たりにする姿が描かれます。
監督の実体験に基づいているため、その描写がとてもリアルなのが特徴的。
そのためベトナム戦争について理解を深めたい方におすすめの作品です。
同じテーマだと「地獄の黙示録」や「ディア・ハンター」も要チェックです。
バイス
批判されることが多いイラク戦争を、裏側で進めた一人の男を描いた「バイス」
どのようにしてあの戦争が行われるまでに至ったのかを追体験できるような内容になっています。
深く考えずに、流れで物事を進めてしまう人の恐ろしさを垣間見れるような作品。
この映画をアメリカ自らが制作したということに意味があるのではないかとも思わされます。
JFK
誰しも聞いたことはある「ジョン・F・ケネディ暗殺事件」
未だ謎の多いこの事件に迫っている作品がこの「JFK」
なぜ彼は暗殺されたのか。
そこには様々な立場からの思惑が交錯していたのではないかと思わされるような内容になっているのが印象的。
そして事件は本当の意味ではまだ終わってないということにも気付かされます。
アクト・オブ・キリング
共産党の排斥を名目に、インドネシアで行われた大量虐殺についてのドキュメンタリー作品「アクト・オブ・キリング」
かなり斬新な形式をとっていることに加え、扱う内容が虐殺ということも相まって間違いなく映画史に残るような映画になっています。
特にはじめは殺人を正当化していた者たちが、人を殺したことの罪の重さに気づいていく様子が衝撃的。
圧倒的に暗いテーマから「人間」について考え直すきっかけをくれるような作品です。
これと対になる「ルック・オブ・サイレンス」も要チェックです。
まとめ
今回は、観ておいて損はない歴史映画を紹介してきました!
私たちの生きる世界は、さまざまな歴史や社会的な要素の上に成り立っているもの。
こうしたものについて、物語を通じて知ることができるというのも映画の魅力の一つです。
「面白いから観て!」
と誰にでもおすすめできる作品とは言えませんが、好きな人には堪らないようなものばかりだと思うので、気になったものから実際に観ていただければと思います。
この記事が、皆さんが勉強になる映画作品に出会い、自らの世界を広げる一つのきっかけとなれば幸いです!